2016.11.09抜いた歯にはすごいパワーが!!
iPS細胞(人口多能性幹細胞)をご存知でしょうか?
歯髄細胞や皮膚細胞を初期化したもので、全身のあらゆる細胞に変化できる人工的に作られる万能細胞です。
2006年、京都大学の山中伸弥教授らが世界で初めてiPS細胞を作り出すことに成功しました。
歯の神経を歯髄細胞と呼ぶのですが、その中には良質な幹細胞が含まれています。
細胞のタネともいうべき幹細胞。分裂して同じ細胞を作る能力と、別の種類の細胞に分化する能力をもっています。
しかし残念ながら加齢とともに急激に減少してしまいます。再生医療のためには、できるだけ若く健康な時の幹細胞、つまり乳歯や親知らずから採取するのがポイントとなるわけです。
今まで再生医療のために幹細胞を採取するのは、臍帯血や骨髄からが一般的でしたが、それよりも今まで捨てていた乳歯や親知らずから採取するほうが身体への負担が軽く簡単、なおかつ機会も多い。また、歯髄細胞は細胞の増殖能力が高く、歯という硬組織にガードされているので遺伝子に傷が付きにくく、しかもiPS細胞を作り出すことも可能なのです。
歯髄細胞を利用した再生医療は、主に脳梗塞や脊髄損傷などの神経再生や血管障害、糖尿病、虫歯治療など様々な実用化研究が進んでいます。
特に脊髄損傷は、年齢、性別に関係なく交通事故などで誰にでも起こり得るもので、現在のところ有効な治療法がないといわれていますが、重点的な研究が行われており、3~5年後の実用化が期待されています。
2016.11.08歯石の除去は歯科医院で!
歯石とは歯垢が石灰化したものです。
多量に沈着する部位としては、唾液腺の開口部である下顎前歯部舌側および上顎大臼歯部頬側があります。
歯石には肉眼的に検知される黄白色の帯状に沈着する歯肉縁上歯石と、歯肉の中に隠れて見えないが黒褐色で点状に沈着している歯肉縁下歯石に分類されます。
特に後者は歯を支える組織に重大な悪影響をあたえます。
歯石はリン酸カルシウムを主成分としてハイドロキシアパタイトが多く含まれているので堅く、ブラッシングでは除去できません。
歯石は当クリニックで定期検診を行い、早期除去が賢明です。
2016.11.07コワーい歯周病のお話
歯周病は歯の歯肉に近い部分についた歯垢の中にいる細菌に起因する病気です。
歯と歯茎の境目についた歯垢から、歯の根にそって歯周病菌が入り込み、歯周組織をじわじわと壊していきます。
統計によると35歳で80%以上の人が歯周病になっています。
しかし35歳になって突然、歯周病になるわけではありません。
実は、10代から少しずつ進行していき、20数年の歳月をかけて、歯肉をジワジワとゆっくり冒し、歯茎から血が出る自覚症状の30代のころには、もはや歯周炎になっています。
歯周病とは成人の慢性疾患といわれていて、痛みなくして進行する質の悪い病なのです。
そしてかなり進んだところで急性に転化して、最後の警笛を鳴らせてきます。
2016.11.06唾液の力を生かしましょう!
歯を取り巻く唾液には、様々な働きがあり、虫歯や歯周病から私たちを守ってくれています。
- 下記に挙げる他にも、消化作用、排泄作用、潤滑作用、味覚や水分調節作用など全身の健康にも大きく関わっています。
希釈・洗浄作用
口腔内の細菌や食べかすなどを希釈し、洗い流します。
抗菌作用
様々な抗菌物質により細菌の発育を抑制します。
緩衝作用
酸性に偏った環境を中性に戻します。
免疫作用
唾液中の免疫グロブリンがミュータンス菌をはじめとする口腔内細菌に対して様々な防菌作用を示します。
歯の再石灰化作用
脱灰して失われたカルシウムやリンを補い、再び石灰化させます。
歯の保護作用
唾液中のタンパクにより、エナメル質の表面に薄い膜をつくり、歯を保護します。
2016.11.05半年に一度の定期健診を!
人間にはいろいろな欲がありますが、いくつになっても健康である限り、食欲は消えないものとされています。
食欲を満たしてくれる大切な器官として歯が挙げられます。
定期健診では虫歯の有無だけでなく歯垢・歯石のチェックを行い、必要ならば即日にスケーリングを行います。
当院ではダラダラとした通院は必要なく、ほとんどの方が即日完了してしまいます。
いつまでも大切な歯を一緒に守っていきましょう。